AIによって「カテゴリーから選ぶ」消費から「成果から選ぶ」消費へ 

ロンドンに本社を置くグローバル市場調査会社ミンテルは、「2027年グローバル消費者トレンド予測」を発表しました。 

ミンテル世界新商品データベース(Mintel GNPD)によると、世界の日用消費財の新商品のうち「本当に新しい製品」は過去1年間で33%となり、10年前の43%から10ポイント低下しました。こうした変化を踏まえ、ミンテルは、今後の成長機会を商品単体ではなく、消費者が実現したい「成果」を起点に捉える必要があると分析しています。 

こうした中、ミンテルが2027年に向けて注目するのが、競争の軸が「何を売るか・買うか」から「消費者がどのような成果を得られるか」へ移る変化です。消費者は、より良い睡眠、健康維持、快適な住環境といった目的に合わせ、食品・飲料、美容、サービス、テクノロジー、日々の行動をカテゴリー横断で組み合わせ始めています。 

ミンテルは、この変化を「Products to Systems(製品からシステムへ)」と名付けました。商品そのものではなく、その先にある成果を起点に市場を見ることで、カテゴリーの境界を越えた新たな競争と成長機会が生まれます。 

「製品からシステムへ」を読み解く3つのポイント 

  • 「本当に新しい」新商品の割合は10年前の43%から33%へ低下 
  • AIが商品探索を「カテゴリー起点」から「成果起点」へ変える 
  • 成長機会はカテゴリー内ではなく、カテゴリー間に広がる 

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■ 2027年、競争の軸は「商品」から「成果」へ 

「消費者は商品カテゴリーで考えているわけではありません。まず実現したい成果を考え、そのために役立つ商品、サービス、行動を組み合わせています。しかし、多くのブランドは依然として、個々の商品やカテゴリーを起点に考えています。『製品からシステムへ』という視点は、イノベーションの対象を商品やカテゴリーの外へ広げ、消費者が求める成果を優先するよう企業に促すものです」 

ミンテル アソシエイト・プリンシパル 

トレンドアナリスト 
Diana Kelter 

ミンテルは「消費者システム」を、人々が意味のある成果を達成するために利用する、商品・サービス・テクノロジー・行動が相互につながった集合体と定義しています。 

たとえば「より良い睡眠」という目的は、睡眠サプリメントだけでは完結しません。飲料や食事、寝具、ウェアラブル端末、アプリ、スキンケア、夜の過ごし方など、さまざまなカテゴリーの商品や行動が組み合わさり、一つの「睡眠システム」を形成します。 

こうした変化によって、ブランドにとっての競争相手や成長機会も変わります。競争の単位が「商品単体」から「成果を実現するシステム」へ移ることで、新たな機会は既存カテゴリーの中だけでなく、カテゴリーとカテゴリーの間にも生まれます。 

■ AI時代、消費者は「何を買うか」より「どう実現するか」で探す 

この「製品からシステムへ」の変化をさらに加速させる可能性があるのがAIです。 

これまで消費者は検索の際、自分のニーズを商品名やカテゴリー、キーワードに置き換えてきました。対話型AIの利用が広がることで、「何を買うか」ではなく、「どうすればもっとよく眠れるのか」「どうすれば家事をもっと楽に管理できるのか」といった実現したい成果そのものから商品・サービス・行動を探すことが容易になります。 

この変化によって、ブランドにとって重要なのは「自社カテゴリーでどう勝つか」だけではなくなります。消費者が目的を達成するために構築するシステムの中で、自社ブランドがどのような役割を担えるのかを見極める必要があります。 

■ 日本でも広がる「自分で組み合わせる」生活 

「システム」という考え方は商品選びだけでなく、生活設計にも表れています。ミンテルの調査では、日本の18~39歳の成人の21%が、趣味、学び、副業などを組み合わせた「マルチライフ」型のライフスタイルを築きたいと回答しています。* 

*出典:ミンテルジャパンレポート「ワーキングスタイル(働き方)のトレンド – 日本 – 2026年」

■ 2027年の成長機会は「カテゴリーの間」に 

2027年に向けて、企業に求められるのは、既存カテゴリーの中だけで消費者を見ることではありません。隣接するニーズや、成果を実現するうえで不足している接続に目を向ける必要があります。 

ミンテルのデータでは、カテゴリーを超えた需要と、システムとしての使いやすさに関する課題が表れています。 

  • 米国成人の54%は、自動車ブランドが他カテゴリー向けの商品を開発することに関心を持っています。 
  • 健康モニタリング機能を持つ非ウェアラブルデバイスを利用する中国成人の23%は、エコシステムの接続不足が利用の障壁になっていると回答しています。 

米国のデータはブランドがカテゴリーを越えて展開する可能性を、中国のデータは商品同士がつながらないこと自体が利用障壁になる可能性を示しています。今後の成長機会を捉えるには、隣接する消費者ニーズと成果のつながりを見ることが重要です。 

■ 「何を売るか」ではなく、消費者のシステムで「どの役割を担うか」 

すべてのブランドが、消費者のシステム全体を作る必要はありません。 

ミンテルは、企業が担いうる役割として、次の4つを提示しています。 

  • 構成要素: システムの重要な一部分を改善する 
  • つなぎ手: 分断された要素が連携できるようにする 
  • 案内役: 何を使い、次に何をすべきかを消費者が判断できるよう支援する 
  • 統合役: システム全体を調整し、消費者の手間を減らす 

企業にとって重要なのは、「どうやって自社でシステムを作るか」ではなく、消費者が目的を達成するためのシステムの中で、自社ブランドがどのような役割なら信頼を得て担えるのかを見極めることです。 

■ 2027年予測を事業戦略に落とし込む無料版レポート 

無料版レポートでは、「製品からシステムへ」という共通テーマを軸に、ウェルネス、食品・飲料、ビューティ&パーソナルケア、家庭用品の各市場について、変化と企業への示唆を解説しています。 

また、「製品からシステムへ」を事業戦略に落とし込むため、消費者が目指す成果、現在利用している商品・サービス・テクノロジー・行動、課題と事業機会、自社ブランドが担う役割を整理する「システム機会フレームワーク」も掲載しています。 

「2027年グローバル消費者トレンド予測」無料版はこちら: 
https://www.mintel.com/jp/2027-global-consumer-predictions-pr

 

■市場調査会社ミンテルの強み 

ミンテルに在籍する各分野の専門家であるアナリストは、ミンテル世界新商品データベース(Mintel GNPD)に蓄積された新商品データや独自の消費者調査、外部データなどを組み合わせて、消費財業界のグローバルトレンドと市場変化の予測を行い、レポートを執筆しています。ミンテルは常に「消費者」に焦点を当て各サービスを展開し、消費財業界のイノベーション促進を支援しています。

 

■株式会社Mintel Japan(ミンテルジャパン) 

ミンテルジャパンは、ロンドンに本社を置く大手市場調査会社「Mintel Group」の日本法人です。専門分野のアナリストと新商品の調査員を世界各国に配置し、独自の消費者調査や新商品情報の収集を行っています。 

その独自のデータを基にした消費財業界のグローバルトレンドと市場変化の予測に強みがあります。日本では主に「美容・化粧品」「食品・飲料」「ライフスタイル」の3分野に注力し、サービスを展開しています。 

新製品開発のヒントになるグローバルトレンドと日本におけるその意味について理解を促し、日本市場における商機を探るレポートシリーズ。「美容・化粧品」、「ライフスタイル」、「食品・飲料」分野のレポートをサブスクリプション方式でご提供しています。グローバルと日本、双方の視点でトレンドを捉えることが可能です。 

■会社概要 

企業名   :株式会社ミンテルジャパン 

本社所在地 :東京都千代田区丸の内二丁目4番1号 

       丸の内ビルディング18階 

代表    :リチャード・カー 

設立日   :2008年3月 

事業概要  :トレンドレポートの販売、市場調査、市場分析等 

WEBサイト :https://japan.mintel.com/ 

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