世界で広がる「酵母たんぱく質」という新しい選択肢──高たんぱく、プラントベース、クリーンラベル──
食品・飲料の商品開発を取り巻くキーワードは、ここ数年で一気に増えました。一方で、ホエイたんぱく質の価格上昇や原料調達の不安定さを背景に、「この先も同じ原料戦略を続けられるのか」という疑問を感じている開発担当者の方も多いのではないでしょうか。
そうした中、世界の食品・飲料業界で静かに存在感を高めている成分があります。それが酵母たんぱく質です。本記事では、ミンテルアナリストが今後注目すべき成分と特定したこの酵母たんぱく質が、世界的に、また日本でどのように活用できるのかを考察します。
酵母は「裏方」から、たんぱく源へ
酵母や酵母エキスは、発酵や風味付けなど、長年食品づくりを支えてきた身近な存在です。
一方で、「たんぱく源」としての酵母は、これまで主流とは言えませんでした。
しかし近年、世界の大手ブランドが新製品で酵母たんぱく質を採用し始めたことで、その位置づけは変わりつつあります。酵母たんぱく質は、必須アミノ酸をすべて含む完全たんぱく質であり、プラントベース食品とも相性が良い点が評価されています。
完全たんぱく質として、酵母たんぱく質がプラントベース食の栄養価を高めている例

【図表】世界では「高たんぱく」だけが目的ではない

ミンテル世界新商品データベース(Mintel GNPD)による分析では、酵母たんぱく質を使用した新製品のうち、「高たんぱく」を前面に打ち出しているのは43%にとどまっています。
言い換えれば、過半数の製品は、別の価値を狙って酵母たんぱく質を採用しているということになります。
開発視点で考える、もう一つの使い方
実際、酵母たんぱく質は技術的な機能性から使用されることも多く、ワインの安定化や、パンなどのカテゴリーで塩気を与えるための風味調味料としても活用されています(リンクはMintel GNPDご契約者様限定アクセス)。
人工風味調味料の代替として使われ、クリーンでナチュラルな代替成分となる例も見られ、必ずしも「高たんぱく訴求」が前提ではない点は、日本市場にとっても示唆的です。
日本市場では、どう判断すべきか
ここで、日本の既存商品開発に携わる方にとって、いくつかの問いが浮かび上がります。
- 日本の消費者は、酵母を「たんぱく源」としてどう受け止めるのか
- 高たんぱく訴求と、味・機能訴求のどちらが現実的か
- どのカテゴリーで導入余地があるのか
これらは、海外トレンドをそのまま当てはめるだけでは判断できません。
市場・カテゴリー・訴求軸を掛け合わせて見る必要があります。
自社にとって「検討すべき成分」かを見極めるために
本記事でご紹介した内容は、ミンテルが行っているグローバル成分トレンド分析の一部です。
ミンテル世界新商品データベース(Mintel GNPD)のデータを用いて、
- 酵母たんぱく質が実際に使われているカテゴリー
- 「高たんぱく」以外で機能している訴求パターン
- 日本市場で検討する際の現実的な示唆
を整理することができます。
「次の原料選択肢として本当に検討すべきか」
その判断材料をもう一段深く知りたい方は、ぜひミンテルまでお問い合わせください。