ここ最近、私のアルゴリズムはフル稼働です。セレブのメイク技法や、思いがけず“優秀”なCostco(コストコ)のビューティお買い得情報、さらにはRedditに存在する、洗濯に全振りした情熱的なコミュニティまで——。InstagramやTikTokのフィードをいま席巻している“執着”テーマと、これらのトレンドがビューティ&パーソナルケア業界の次の行き先について何を示しているのかを紐解きます。
Nina Park Makeup
著名なセレブリティ・メイクアップアーティストであるNina Parkは、SNS上でその名を広めた手間いらずでシック、かつ発光するようなルックで話題を呼んでいます。みずみずしい素肌感(“dewy skin”)、柔らかなモノトーン(モノクロマティック)、完璧にブレンドされた仕上がりによって、控えめでありながらエレガントな美しさを体現し、人々を惹きつけています。
ここ数週間、私のTikTokのフィードは、Parkの象徴的なルックを再現するメイクアップアーティストやビューティ愛好家の投稿であふれています——複数のリップライナーやクールトーンのアイライナーの取り入れが頻出です。私がParkのテクニックで特に好きなのは、軽く、やわらかいストロークでメイクをのせる点。精密さよりもさりげない引き立てを優先するため、美しくぼけた、幻想的な効果が生まれます。
これらが意味するところ:2026年に向けて、“Nina Park効果”が主流になりそうです。透け感があり、キラキラしたシマーなアイシャドウ、繊細なアイライン、モーブやベリー系のチーク・リップ、そして戦略的なリップライナーのレイヤリングでしか出せない多層的な“ぼかしリップ”が広く見られるでしょう。



出典:Nina Park
Costco のビューティーアイテム
Costcoは以前からビューティ製品を扱ってきました(10代の頃、毎年クリスマスにNeutrogenaのメイク落としのジャンボマルチパックを姉たちと一緒にもらったのを今でもはっきり覚えています!)。その一方で、倉庫型店舗は時間をかけてビューティ品揃えを拡大し、K-beautyトレンドを取り込み、高級ブランドの品揃えも増やしています。
過去1年で米国のBPCショッパーの21%が倉庫型店舗で製品を購入。世帯年収10万ドル以上では25%に上昇。
私が2025年の年初にCostcoに入会すると、アルゴリズムは即座に“Costco finds(コストコの掘り出し物)”系コンテンツつまり、各種のビューティお得情報を紹介する専用アカウントや投稿を出してくるようになりました。
「Costco」(および関連語)を含むソーシャルメディア投稿は、この5年間で着実に増えています。

TikTokとRedditはいずれもCostcoコンテンツのホットスポットです。サブレディット(世界最大級の掲示板型SNS「Reddit」内にある、特定のテーマに基づいた小規模なコミュニティや掲示板のこと )「r/Costco」は約150万人のメンバーを抱え、r/samsclub(6.3万人)、r/aldi(27.5万人)、r/walmart(36.2万人)といった他の小売サブレディットを大きく上回り、オンラインコミュニティの強さとビューティお買い得情報の拡散力を浮き彫りにしています。
ここ最近、私の目を最も引いたものは……
- Nutrius Coco Bliss Brazilian Body Butter Cream:TikTokによれば、Sol de Janeiroの人気クリームBrazilian Bum Bumの“デュープ”。
- Daeng Gi Meo Ri Ki Gold Premium Hair Set – シャンプー26.3 FL.OZ×2本+トリートメント26.3 FL.OZ×1本で $54.99
出典:Costco
- そしてもちろん、Tom Ford、Jo Malone、Byredo、Gucciなどのフレグランスを含む“掘り出し”価格のラインアップ!

これらが意味するところ:美容化粧品の購入先を選ぶ際の影響要因として、最も多い回答は「手頃な価格(57%)」、次いで「品揃えの幅広さ(45%)」です。生活危機が続くなか、手頃さは購買行動への影響を一段と強める公算が大きいでしょう。結果として、プレミアム/ラグジュアリーブランドがCostco限定の“バリューセット”を投入し、倉庫型店舗の買い物客に訴求する動きがさらに増えると見込まれます。
r/laundry
2026年の“ビンゴカード”に「洗濯オタク化」が入っているとは思いませんでしたが、現にそうなっています。約20.3万人のメンバーを擁するr/laundryは、サブレディットとして最大規模ではないものの、洗濯に関する情熱は疑いようがありません。
メンバーは、洗濯のコツ、製品の推奨、頑固なシミ対策や洗濯ルーティン最適化の裏ワザを日常的に共有し、活発な知識交換が行われています。ざっとスクロールするだけでも、このコミュニティでの一大トレンドが見えてきます——それが“Laundry Spa Day(洗濯のスパ・デー)”。
これは、さまざまな洗剤(特に特定の酵素)を活用して、汚れた衣類をディープクレンジングする実践を指し、ユーザーKismaiAestheticsによって名付けられ、広まりました。
私がr/laundryに影響されたという表現では足りないほどです。そして、私の“パーソナルショッピングアシスタント”(すなわちMintelGNPDのこと)のおかげで、コミュニティ内でも頻出するリパーゼ(脂肪系の汚れに作用する酵素)を配合した洗剤を素早く探し出せるようになりました。
これらが意味するところ
r/laundryのコミュニティでは、「洗濯用処方の洗浄力が弱くなってきており、しっかり洗うには購入アイテム数を増やさざるを得ない」という感覚が共有されています。洗浄力に対する不満は消費者データにも反映されており、英国および中国の両方で、洗濯ユーザーの最大の不満は「頑固な汚れを効果的に落とせないこと」であると示されています。
こうした不満の高まりは、ブランドに自社製品の真の効果を証明しなければならないという深刻なプレッシャーをかけています。一見、ニッチなRedditコミュニティがメインストリームのトレンドに影響するのは“飛躍”に思えるかもしれませんが、歴史は別の物語を語ります(たとえばr/SkincareAddictionと韓国サンスクリーンのブームを見れは明らかです)。
ソーシャルのバズと実際の製品イノベーションの距離が急速に縮まっているいま、リパーゼのような酵素を処方やパッケージ上で強調するファブリックケアブランドが増えても不思議ではありません。より高い実感性能への要求は明白で、それに耳を傾けるブランドは、さまざまな意味で“洗い流す(クリーンアップ)”ことができるはずです。
クレアは Mintel US のビューティ&パーソナルケア分野のプリンシパルアナリストとして、主要トレンドを見極め、美容業界に影響を与えるインサイトを発信しています。