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「控えめ×大胆」を“市場で使える示唆”に翻訳する、次の自己表現

世界の主要ランウェイに登場した2026年春夏(SS26)のビューティルックは、「ミニマル vs マキシマル」という単純な二項対立では語れません。大胆さと控えめさ、実験性と日常性といった、相反する要素が同時に存在するシーズンでした。

ミンテルのビューティ&パーソナルケアアナリストは、こうしたランウェイの表現を単なる流行として捉えるのではなく、背景にある消費者意識や価値観の変化を読み解きながら、「これらの動きが、今年のメイクトレンドとしてどのように落とし込まれていくのか」を分析しています。

本記事では、SS26ランウェイに見られた象徴的なルックやキーワードを手がかりに、2026年のメイクトレンドが示す方向性と、日本市場で活かすためのヒントを、ミンテルの視点から整理します。

出典:HypeBae


実験的で遊び心のある表現が広がる一方で、消費者は「自分らしさ」「使いやすさ」「納得感」をこれまで以上に重視しています。

キーワード1:トレンドを“マネしやすいもの”にする包容力

SS26では、ハイファッション発のトレンドをより多様な肌色・髪質・ライフスタイルに落とし込むことが重要なテーマとして浮かび上がっています。
ランウェイの象徴的なルックを、そのまま真似するのではなく、「誰でも再現できる」「自分に合う形で取り入れられる」提案へと翻訳することが、ブランドの信頼と売上の双方につながります。

キーワード2:K-ビューティの次のフェーズは“身近さ”

K-ビューティは引き続き世界のトレンドを牽引していますが、SS26でより強調されているのはローカル市場への適応(グローカル)です。
透明感や軽やかさといった美意識を軸にしながら、価格帯・使用シーン・流通に合わせて最適化することで、「憧れ」から「自分ごと」へと進化しています。

K-ビューティの影響力は、スキンケア領域にとどまらず、カラーメイク分野へと広がりを見せています。実際、カナダではメイクアップユーザーの16%が、海外ブランドのメイク製品をこれまで以上に購入・リサーチしているとされ、グローバルで“国境を越えた美意識”への関心が高まっています。

また、K-POPアイドルがMACやChanelといったグローバルラグジュアリーブランドのキャンペーンに起用されるなど、K-ビューティ由来の感性は、マスからプレミアムまで幅広い価格帯・ブランドに影響を及ぼしています。

キーワード3:「ノーメイク」志向は終わりではなく、より洗練された段階へ

スキンケアを土台に、目元・唇・まつ毛をさりげなく強調する“引き算の美学”が、次世代のナチュラルルックとして注目されています。製品開発やNPDにおいては、機能性と感覚価値の両立が問われます。

SS26のランウェイでは大胆なカラー使いが目立つ一方で、Pantoneが2026年のカラー・オブ・ザ・イヤーとして発表した「Cloud Dancer」は、単色で魅せるモノクロマティックなインパクト”へのシフトを示しています。

これまで白は、ミニマルメイクにおける目頭のハイライトなど、控えめなアクセントとして使われることが一般的でした。しかしSS26では、まぶた全体を覆う白が主役となり、視線を引きつけるステートメントルックへと進化しています。ソフトなピンクやヌードリップと組み合わせることで、強さとバランスを両立させている点も特徴です。

このホワイトトレンドは、アイメイクにとどまらず、ミルキーネイルや60年代風のホワイトアイライナーなど、カテゴリーを横断して広がっています。

ソフトなアイライナー、マスカラ、クリアブロウジェルを組み合わせることで、白を使いながらもモダンで日常に取り入れやすい仕上がりが実現します。白の持つ汎用性の高さは、アイ、ネイル、アクセサリーといった複数カテゴリーにまたがる展開を可能にし、クロスセルの機会を広げる色としても注目されています。

ミンテルのグローバルトレンドは、ランウェイでどう表現されたのか

SS26のランウェイでは、単なるメイクやヘアのトレンドを超え、ミンテルが示す2026年のグローバルビューティ&パーソナルケアトレンドが“体験”として可視化されていました。

  • 代謝から見る美容(Metabolic Beauty
    肌・身体・感情はすべてつながっているという考え方が、
    スキンケア起点のメイクや、ウェルネス要素を感じさせる演出として表現されていた
  • 五感の相乗効果(Sensorial Synergy
    香り・触感・空間を含めた五感体験としてのビューティ提案
  • アルゴリズムを超えて:人間らしさの革命(Beyond the Algorithm
    テクノロジーやバイオ素材を取り入れ、
    “効率”ではなく“意味”を問い直すアプローチ

これらはすべて、「見た目を整えるための美容」から、「どう生きたいかを表現する美容」へのシフトを象徴しています。

SS26のトレンドは、奇抜さや話題性だけでなく、ブランドがどんな価値観を提示しているかを、
ランウェイという場で明確に伝える役割を担っていると言えるでしょう。


SS26トレンドを“自分たちの戦略”に落とし込むために

今回ご紹介した視点は、SS26トレンドのほんの一部の切り口です。
背景にある消費者意識や、各市場での受容度、より具体的な製品・マーケティング示唆については、ミンテルのビューティ&パーソナルケア関連レポートで詳しく解説しています。

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